2016年2月14日日曜日

協力隊任期終了後一年弱、改めて協力隊をぼんやり眺めてみる

TBS年末ドラマスペシャル『赤めだか』、ご覧になりました?


立川談春が立川流入門からその後の苦悩を描いたドラマですが、私には「百年に一人の天才」立川談志を描いた物語のように見えましたね。たまたまテレビがあるところにいて、たまたまチャンネルを変えたら放送していたのですが、久しぶりに印象的で最後まで見てしまいました。主演の嵐・二宮和也氏も舞台挨拶で「見ないヤツだけが損すればいい」と言い放ったそうで。まだ何かしらの方法で見れるはずなので、見ていない方はぜひご覧ください。

さて、地域おこし協力隊の任期を終え、はや10ヶ月半ばかり経ちました。去年はまさに迷走の年となってしまいました。現在は某所で出稼ぎをしており、3月に地元へ戻り本業に集中することにしています。今年こそ迷走でなく「動いたな」という年にしなければなりません。

それはさておき、地域おこし協力隊。
国は地方創生を掲げ、総務省は隊員を2020年までに4,000人に増員するとの目標をたて、なかなかの「移住ブーム」の様相を呈しているようにみえます。実際、去年12月に高知県への移住を促進するためのイベントを手伝ってきたのですが、想定外の来客で資料がなくなってしまうほどでした。

受け入れ側は相変わらずのノープラン状態が多いように見受けられますが、質が悪いのが、見せかけだけコンセプチュアルで中身が空っぽ、というものですね。どこの自治体とは言いませんが、あまりにもデタラメで無責任な集め方してませんかね?そんなんだったらまだノープランのほうがマシですよ。

現役隊員については、相変わらず群れたがる烏合の衆と、着実に地固めをして任期終了を迎えようとする人とが二分されているのでしょうね。まあ、まだ社会的な判断をする知見をほとんど持たない20代の若者が雰囲気だけで協力隊に乗ってしまうのも仕方ないことなのでしょうが。そんなことなら都市部で就職して比較的良いビジネス環境で自力をつけてから、と思うわけですが、都市部で働いたからといって力がつく、というわけでもないですからねぇ。。。

今こうして協力隊を終え、本川に居を構えようとしている身分からすれば、地域おこし協力隊には本当にリアルを感じられないですね。もちろん現実を踏まえて地道に取り組んでいる人たちもそれなりにいることは知っていますが、多くはデタラメな制度に雰囲気だけで乗っかり、現実を見つめることができずに集まって管を巻き、そのまま任期を終えていくのでしょう。

『赤めだか』における、立川談志の以下のセリフが印象に残ります。
現実は正解なんだ。時代が悪いの世の中が悪いのと言ったところで状況は何もかわらない。現実は事実だ。その現状を理解し分析しろ。
そこには必ずなぜそうなったかという原因がある。それが認識できたら後は行動すればいいんだ。
そういう状況判断もできないような奴を俺の基準で馬鹿という。
軽い気持ち(という自覚もないのかもしれませんが)で協力隊に応募する人が後を絶たないようです。まずは自分の周りの現実を振り返ることをしませんか?

最後に、現実を知るための参考になる書籍を紹介して終わります。

ジェイン ジェイコブズ『発展する地域 衰退する地域: 地域が自立するための経済学』 ちくま学芸文庫

エンリコ モレッティ『年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学』 プレジデント社

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