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高知県いの町地域おこし協力隊のプレゼン/資料集

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2015年3月末で管理人は任期を終えたため、更新を無期限休止します。気が向いた時に更新することがあるかもしれません。(2016/2/14)

2014年3月31日月曜日

小学校の卒業式 Second Season

記事は遅れましたが、卒業式のシーズンがやってまいりました。
今年も去年に続き、卒業式に参加させていただきましたので、簡単に報告します。

今年度の卒業生は1人です。ちなみに去年は4人でした。

さて、会場へ向かうと去年同様、はり絵のお迎えです。毎年新しく作り替えているようで、手の混んだ趣向となっています。

パンフレットや記念(品)の数々。


卒業式は通過儀礼で、毎年毎年同じように淡々と繰り返されていくものです。したがって、おおよその流れは去年と同じなので割愛します。違いはスライドを見せるタイミングが変わったことと、英語を入れたスピーチがなかったことくらいでしょうか。

式は適度な緊張感の中、淡々と進みます。校長先生や来賓の方々の祝辞、生徒によるスピーチと合唱、と進んでいきます。生徒同士のスピーチや合唱になると先生方も感情が込み上げてきます。私も合唱の頃には釣られて感情的になっていたように思います。こういった節目のイベントは、自分を振り返る契機となるのですね。

そしてフィナーレ。

ということで、前回にも増して淡白な紹介となってしまいましたが、去年と比べても写真をとるゲストが少なく、写真をとるタイミングがなかなか出来なかったこともあるので、どうかご容赦ください。

最後に今回も卒業生に小林秀夫の言葉を送りたいと思います。前回と同じ言葉になりますが、非常に重要な示唆に富んだ言葉で、節目にはぴったりなので。
人は様々な可能性を抱いてこの世に生まれて来る。彼は科学者にもなれたろう、軍人にもなれたろう、小説家にもなれたろう、然し彼は彼以外のものにはなれなかった。これは驚く可き事実である。

2014年3月19日水曜日

平成26年度いの町地域おこし協力隊の募集に関する質問を受け付けます

平成26年度の地域おこし協力隊の募集がいの町で公示されました。

ネタばらしをすれば、去年からラベル「特集:移住/定住」とした特集記事は、これに応募する方への参考資料にしていただく意味合いがとても大きいものでした。

私が地域おこし協力隊に応募した時のことを思い出すと、応募する地域に関する情報収集がとても難しく、はっきり言ってしまえばほとんど何もわからないままその地域への応募をすることになりました。これは全国的に有名な地域でもない限り、ほとんどの自治体ではその地域の情報を充分に発信できていないのが現状だと思われます。そこで私が考えたのが特集記事と「質問」です。

というわけで、今回の募集に興味がある方々の質問を受け付けたいと思います。活動や生活についてわからないことがあれば質問ください。それに際しては、以下の内容を了解した上でお願いします。

  • ラベル「特集:移住/定住」には必ず目を通してください。特集記事に書いてある内容そのものについては原則回答しません。
  • 募集内容の詳細や選考に関する問い合わせはいの町役場本川総合支所へお願いします。そもそも私は募集や選考には全く関与しておりません。
  • 質問の内容と回答については公開されるものだと思ってください。個人情報を公開することはありませんが、逆に言えば、メールアドレス以外の個人情報などは極力控えてください(無記名で構いません)。
  • 私も役場に席を置く人間である以上、情報開示にはそれなりの制約があります。これについて、ご理解とご容赦をお願いします。
質問は、
 hongawasaiko[あっとまーく]gmail.com
 ([あっとまーく]は@に置き換えください)
にメールをください。


以上

2014年3月12日水曜日

地域おこし協力隊の相談に答えてみた

最近、本当に本川の話題が少なくて申し訳ないのですが、某MLに協力隊からの相談が流されまして、先日「地域おこし協力隊の不思議」について語ってきた流れと関連しているので取り上げてみます。

相談内容について、趣旨と思われるところだけ引用します。
<<省略>>その観光が主な産業の地域です。それなりに観光客は訪れますが、観光と地域コミュニティ、あるいはほかの地域産業との関わりは希薄で、<<中略>>地域の結束も厳しい現状があります。どのようにして地域づくりのための観光、住民の融和をはかっていくかが課題と捉え活動しています。市行政や受入団体のサポートも十分ではなく、皆さんのお知恵やヒントを頂ければと思っております。
住民含むコミュニティ同士仲良くして今以上に観光を盛り上げたいけどどうしたらいいの?という趣旨でしょうか。ここでは「住民の融和」というところにスポットを当てて私なりに回答します。

まず、本音は最後に書きます、ということを先にお伝えしておきます。

さて、コミュニティ同士の不仲を改善していくなんてことはおいそれと出来るようなものではないと思います。嫁姑問題のアドバイスをする人は「全治五年」みたいなことを言ったりするらしいですからね。息の長い取り組みになる、ということを大前提にして、私の知識と経験でのことを以下に並べます。

  • とにかくコミュニケーションをとる
    それぞれにはそれぞれの立場があるわけで、それを知らずに間に入るなど出来るわけがありません。それぞれの話を粘り強く話を聞き、とことん打ち解けあってこそ次のステップ(コミュニティ同士の対話)が成立します。「お前が言うなら」と言われるくらいにならなければ、なんで嫌いな人達と対話しようなどと思うのでしょうか?
  • 「曲者」と仲良くする
    私の(直属ではない)上司が、ビジネスコンサルティングの現場では「嫌いなヤツ」ほど仲良くする、ということを言っていました。癖のある人って付き合いにくいですが、話しを聞けば志が高いことも多いと思います。まずそういう人と仲良くなり、誤解を解いていくことで他の人同士の誤解も解けていきます。最終的には、そういう曲者は強い味方になってくれるそうです。
  • 「やりたくないこと」をやる
    上の2つもそうですが、「そんなこと大変だし嫌だ」と思いませんか?コミュニティ同士で仲良くするならばどんな形であれ交流を深めていくしかないのですが、そのために出来ることなんてたくさん思いつくと思います。その中から「やりたくないこと」を抽出して、それをやればいい。自分がやりなくないことは他の人もやりたくないもの。それを誰もやらないから変わらないのですよね?
ということで、これが相談内容についての直接的な回答でしたが、ここからが私からの本音です。

まず最初に問いたいのは「本当にそれが必要なのですか?」ということ。詳しくは先日のエントリに譲りますが、「観光でこれだけのことができれば、これだけ豊かになれる、そのためには住民の融和が必要だ」といった具体性のある話しがでなければ何のためなのかわからないし、活動の振り返りもできません。仲良くないことを逆手にとることだって考えられるはず。

それでも住民の融和が第一だ、という結論になったとしたら「そんなものはおやめなさい」としか言いようがないですね。そもそも「みんな仲良く」が最初にあった地域活性化の事例ってどれだけあるのでしょうか?少なくとも私は知りません。お役人さんが大好きな徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」も最初はほとんど誰も賛同しなかったのですから。

まあ、秋野豊になるくらいの覚悟ならば話は別ですが。

2014年3月2日日曜日

続・地域おこしの不思議?を本気で語ってみた

先日のエントリにて、他所の協力隊員が書くブログのエントリを交えて話しましたが、紹介のブログ主に丁寧なコメントを頂戴しました。それを拝見し、もう少し書いておこう、という気分になったので書き残そうと思います。この手の話しは基本的に事例紹介の動画で扱っていますが、一度くらいブログエントリの中に残してもいいかなあ、と。

さて、このブログの訪問者は大半がJOINのブログから来られる方です。私はJOINのブログのプロフィールに「地域おこし協力隊員へ応募を考えている方へ一言」というところがあるので、そこに「地域おこしって何でしょう?」と書いています。もしかしたら見てくださった方もいるかと思いますが、私がここに書いておこうと思うことは、まさにこのことです。

私が地域おこし協力隊となって最初に立てた仮説で、まさにその通りだと思ったことがあります。それは、「地域活性化の取り組みは、達成する命題がないのに具体的なアクションだけが存在し、その評価が積み上げられず、似たようなことを繰り返す」というものです。さて、協力隊のみなさん、これを聞いて、自分たちの地域の活動を見つめてみてください。目に見える目標に向かって取り組みがされ、その結果を反省して次に活かす、ということが繰り返し行われているでしょうか?ほとんどの地域では「NO」ではないでしょうか?

地域活性化の取り組みついて、その目的としてよく使われるワードは「活気」「笑顔」「幸福」などの抽象的なものがほとんどだと思います。しかし、それを達成するために何をするか?などと考えても有効な施策が出るわけがありません。それは上記のようなあいまいなワードを満たすための条件は人によって大きく異なるからです。
分かりやすいのは「幸福」ですよね。とにかくお金を稼いで贅沢な暮らしがしたい、リーダーシップを発揮して周囲から尊敬されたい、家族が幸せを感じてくれればそれだけで良い。世界一たくましく強い人間になりたい。自給自足で浮世離れした生活がしたい。もしこれらがそれぞれの幸福の条件だとしたら、こんなことが全て達成できるような施策があるでしょうか?それにも関わらず、地域活性化の取り組みは常に行われ、「活気」「笑顔」「幸福」などの言葉で成果があったかのように扱われます。そしてそれらは人口減、少子高齢化などに良い影響を与えることなく延々と取り組まれます。このような調子で目新しいことをやったところで、何かが変わる、と本当に思いますか?
私はこのような取り組みを「宝くじ戦略」と命名しています。特に使い道なんてないのに何となくお金がたくさんあると幸せだと考える人が、買わなければ決して当たらないからと自分に言い聞かせ「奇跡」を待ち続けます。もちろん、宝くじはもっと深い遊び方もできるでしょうし、個人が楽しむものですから、買うも買わないも個人次第なのですが、地域活性化は公金を投入して行われるものです。にもかかわらず、目標をあいまいにしたまま取り組まれて奇跡を待つ、これが本当にあるべき地域活性化の取り組みですか?

私が知っている地域活性化の取り組みの中で、高く評価できる事例は一つしかありません(もっとも、私はそれほど事例を知りませんが)。それは長野県下條村です。ここはすごいですよ〜。人口4000人ほどの村にも関わらず、2011年の合計特殊出生率は県下最高の1.92人。全国平均が1.39人ですから段違いです。下條村の取り組みは一言で言えば「トップダウン」。民間企業の社長だった方が村長となり役場改革を行なって出生率アップを達成しました。「若者よそ者ばか者」なんて世界観とは全く別物。地域活性化でよく言われるワードなどとは大した相関がないことは想像に容易いと思います。人口減と少子高齢化対策という具体的な命題に対して施策を行い達成した稀有な事例だと認識しています(※下條村については下記参照のこと)。

というわけで長々と書きましたが、協力隊の方々がこのエントリを読んでもピンと来ない人のほうが多いのでしょう。ご自身の活動を否定されていると思われるかもしれません。しかし、本当に地域活性化に取り組む心構えがあるならば、これは避けて通れない課題のはずです。

さて、あなたは「奇跡」を待ち続けますか?問題を見つめ直しますか?それとも。。。

※記
長野県下條村に関するリンクです。