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地域おこし協力隊が知っておくべきたった一つのこと

先日、地域おこし協力隊だった方が暴露話を含んだ除隊報告をブログに残していたものを読むという(私にとっては)アクシデントがありました。内容は、一言で言えば「私の思う地域おこしじゃないから辞めます」ということ。それに同情やら批判やら、多くのコメントがつけられていました。それらをぼんやり見て思ったわけです。
この人たちは地域おこし協力隊を何だと思ってるんだ?
と。

まあ、これについては動画「10分でわかる地域おこし協力隊」で述べているのですが、改めて文章として残しておこうかと思った次第です。

さて、「地域おこし協力隊とは何か?」ですが、簡単です。JOIN(一般財団法人 移住交流推進機構)が運用する地域おこし協力隊のホームページ地域おこし協力隊とは」に書いてあります。
「地域おこし協力隊」とは人口減少や高齢化などの進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図ることで、意欲ある都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度です。
ここから読み取れることは、自治体にとっては「地域力の維持・強化」が目的であり、その担い手である隊員にとっては移住定住のきっかけである、ということで問題ないかと思います。

さらに、総務省の地域おこし協力隊に関する資料に「地域おこし協力隊Q&A」というものがあります。この中には上記引用と同様の内容に続き、以下のように記されています。
具体的には、地方自治体が都市住民を受入れ、地域おこし協力隊員として委嘱し、一定期間以上、農林漁業の応援、水源保全・監視活動、住民の生活支援などの各種の地域協力活動に従事してもらいながら、当該地域への定住・定着を図る意欲的・積極的な取組について、総務省として必要な支援を行うものです。
「当該地域への定住・定着を図る意欲的・積極的な取組」 が期待されるということからも、地域おこし協力隊は担い手の移住支援である、ということがより明確になっています。

次いで、これも「地域おこし協力隊Q&A」から抜粋しますが、地域おこし協力隊の立ち位置について、集落支援員との比較として図示されています。

総務省「『地域おこし協力隊Q&A』Q5「地域おこし協力隊員」は「集落支援員」とどのように違うのですか。」より抜粋

ご覧の通り、地域おこし協力隊に期待されることは、地域活性化に係る企画実施について比較的受動的な立ち位置であることが見て取れます(「地域の人が主役」ってやつでしょうか?)。このことからも、地域おこし協力隊が「地域活性化の担い手」というよりも「移住者」として期待されていることがわかりますね。あとは運営主体である自治体が、地域おこし協力隊をどう使うか裁量していくことになるわけです。

また、地域おこし協力隊が移住支援制度である旨は別の視点からも考察することができます。以前私が投稿したものをご覧いただければ、国が地域おこし協力隊の成果を定住の度合いで測っていることを見て取れます。地域おこし協力隊が移住支援制度の色が濃いことについては、これだけの出自があるわけです。

というわけで、地域おこし協力隊が知っておくべきたった一つのこと。それは
地域おこし協力隊は基本的にただの移住支援制度
地域おこし協力隊について持論を展開するのは大変結構なことですが、地域おこし協力隊が何かということについて公式の定義が存在しているのであり、そこを無視して「これは私の考える地域おこし協力隊ではない!」などと言ってみたところで、筋違いとまでは言わないが、筋が悪い話しには違いないわけですね。

これらのことは、本来地域おこし協力隊に応募する時点で確認しておくべきことだし、自治体には職務内容や期待について聞いて確認しなければいけませんよね?話が違う、ということならまだしも、こういうことを知らずに「やってみたらイメージと違っていた」なんてのは非難に値することです。それは税金の無駄遣いなのだから。

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