こちら本川は梅雨なみの連日の雨、秋をすっとばして冬に突入しそうなくらいの涼しさです。
僕は本川地区で暮らすにあたって前々から山の狩猟に興味がありました、お金を払えばテーブルの上には誰が殺したかわからない牛の、誰が調理したかわからないハンバーグなんかが出てくることに納得がいかず「もし肉を食べるなら自分で殺して捌いて食べるほうが対等だ」そう思うところがあったからです。
それに狩猟は、本川地区のかかえる問題の一つにもとても符号してるように思えます。
というのも、本川地区では農家として生計を立てている人こそ少ないですが、自分の家で食べる分の野菜は自分の家で育てることは常識でそれぞれの住民の人たちが小さいながらも畑をしています。
それらの畑には毎年、必ずといっていいほど獣被害が出ます、イノシシが柵のトタンを掘り返し畑に入っては作物を掘り起こす(作物を食べる場合と畑の良質の土に住むミミズを食べる場合があります)猿も、畑に多大な被害をおよぼします。
本川で農業というのは本川の常識の中ではとても難しいものでその原因の半分はこの獣被害にあるといってもいいでしょう。僕らも畑をしようと思っているのでなんらかのイノシシ対策はしなければいけません。
けれど、本川で猟をする人たちはいるのですが銃猟の鉄砲を使った猟をやっている人しかいません(ごく少数!)いきなり鉄砲で猟をするにはあまりに時間がかかってしまい、覚悟もつかないので罠猟をじっくり練習させてもらいたいと考えていると、先週の日曜日にとなり村で罠をしている方から声をかけてもらったので、飛んで行きました。
はじめての罠にドキドキ!
見学のつもりで行ったけれど、一つ目の罠をかけているところを見せてもらい(写真上が罠の達人)次のところを「やってみいや」と言われ(やったぁ!)
一生懸命見よう見まねでやってみました。
円筒形の穴を堀り、掘った時の土を表層と下層に分けて別々のビニールに入れておき、できた穴に塩ビ管の中にワイヤーとバネを仕込んだ筒に踏み抜くとワイヤーがしばるという仕掛けの板を押し込み、ワイヤーの輪っかを土の表層部に出す、取り出した下層の土を仕掛けいたの上に盛って仕掛けが作動しないように固める、その上に取り分けてた表層の土に輪っかのワイヤーを隠しこんで上から葉っぱなんかをぱらぱらする。
仕掛けた穴の横に穴を開けてよこから仕掛けのおしりから出るワイヤーを出して近くの丈夫な木や竹にワイヤーをしばりつけて枝なんかで隠す。最後に、足あとなんかを隠してその場を離れる。
この竹の間に罠が仕掛けてあります。「えい穴や」と褒めていただきました。
この竹の間には獣道があります、その証拠に竹の内側にこすれた時にできた泥の汚れ、それだけじゃなく、竹が傷んでいます、それほどよく通るということで師匠いわく「これはイノシシの県道や」とのことです。
今日で仕掛けてから3日ですが、すこし気長に待たなくてはいけないかもしれません。
連絡があればすぐ飛んでいけるよう、日々クラウチングスタートの姿勢で過ごしていきたいと思います。
やはり山に生きる者として、もし獲物が捕れたならしっかりと山の神様への礼儀を尽くし、供え物をしなくてはいけません、師匠もそれを怠ったことはないとのことです。その姿勢共々しっかりと学んでいかなくてはいけないと強く思いました。