校舎の3Fが会場なので会談を登ると可愛らしい貼り絵?がお迎えです。
入り口へ来ると卒業生たちの懐かしのシーンが散りばめられたアルバムが飾られていました。こういったものは当時を知らない私でも何となくノスタルジックになります。
そして会場に入り用意された座席で開始まで待ちます。日頃ラフな姿で仕事をされている地域の方々もこの日は正装です。私も久しぶりにスーツ。ネクタイの結び方を忘れていないか心配でしたがさすがに問題ありませんでした(笑)
しばらくすると卒業生が入場してきました。今年度の卒業生は4人。みなさん不思議と正装がしっくりきていますね。
というわけで卒業式の開始です。最初は挨拶から国歌・校歌斉唱。独身の私は小学校の卒業式などは小学生以来の参加なわけで、もう30年近く前の話しですが、卒業式なんて昔とそんなに変わらないだろうと思っていました。しかし次にいきなり度肝を抜かれました。なんとスライドによる6年間の振り返りです。素敵なBGMとともに過去の卒業生たちの姿が映し出されます。私の時代にはさすがにこのような演出はありませんでした。すごいですね〜、今時の卒業式は。
そしてどのタイミングなのか忘れてしまいましたが、卒業生がこれからの目標を話すところで
「I want to ...」
え、英語ですか。。。私の時代では考えられないことです。
それはさておき、この後は校長先生や来賓の方々などの祝辞と記念品贈呈が続きます。そして卒業式のヤマ場と言える、卒業生と在校生の別れの言葉です。
卒業生が4人だけに、その内容はとても具体的。一人ひとりに対してエピソードを交えながら在校生たちの言葉が続けられます。そして皆で「世界がひとつになるまで」を合唱した後、卒業生たちのスピーチ。このあたりになると先生方の中には込み上げる感情を抑え切れない方も出てきて、感情が移りやすい私ももらいそうになりました。やはり子供の成長を見届けてきただけに万感の思いがあるのでしょう。そして最後に合唱ですが、4人で1パートづつ歌わなければならないのが町中の小学校と大きく違うところです。ここまで笑顔が見えるくらい穏やかだった卒業生のみなさんですが、さすがにここは緊張しているようでした。
#少人数ならユニゾンのほうがいいのでは、と個人的には思うのですが。。。
そして最後に在校生から記念品の贈呈があり、閉会です。
閉会の後にくす玉が用意されたのですが、なんとくす玉が割れないハプニング!(笑)
先生が強引に割り、在校生により作られたゲートを潜って退場です。
ということで、小さな学校の卒業式を実際この目で見ることになったわけですが、終始アットホームな雰囲気だったことが印象的でした。
4人の卒業生たちは式の中でそれぞれ将来何になりたいかを語りました。「ゲームプログラマ」「バレーボール選手」「獣医」「お花屋さん」。これらはみな本川で暮らすとすればどれもなかなか簡単ではありません(ゲームプログラマと花屋は何とかならなくもないが)。つまり子供たちは自分の夢や目標を追い求めればみな地域から出ていってしまうわけです(事実、一人は高知市内の中学校に進学)。
「地域おこし」に取り組む人たちはこの現実をどう受け止めるのでしょうか?以前、ある地域おこし協力隊の方が「Uターン移住は見込めない。地域に魅力がないから出ていくんでしょ?」と言っていましたが、そんな著しく抽象化された簡単な言葉で済まされるような話しではないことが示唆されると思います。
せっかくなので最後に卒業生へののメッセージを、小林秀雄の言葉を借りてお送りしたいと思います。大人でもわからないようなメッセージを送ってどうするんだ、というご指摘もあるかと思いますが。
「人は様々な可能性を抱いてこの世に生まれて来る。彼は科学者にもなれたろう、軍人にもなれたろう、小説家にもなれたろう、然し彼は彼以外のものにはなれなかった。これは驚く可き事実である。」
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