先日ウチョウランの培養を見学/体験してきたのでレポートしたいと思います。
ウチョウランは比較的低い山の岩場に生息する山野草です。30年ほど前に大ブームになり、1株が万単位で取引されていたため、本川でも採取されました。岩場のかなり危険なところにあるものを命がけで取っていた時期があったそうです。しかしバイオテクノロジーによる培養方法が確立されてから価格が暴落し、今では通常の草花と同程度の価格で取引されています。そのような中、本川では今でも地元の手箱山野草会の方々がウチョウランを育成しており、氷室まつりの頃に展示販売を行っています。私は氷室まつりのPRに参加させてもらっていたことで「興味があれば」とお声がかかったわけです。
ということで、早速ウチョウランの培養です。今回は培地作りになります。培地づくりは簡単に言ってしまえば寒天状の培地に種を植えつける作業になります。 まずは肥料など培地の材料の準備です。
まずは粉末肥料などを準備しお湯に溶かします。
これが寒天を入れる前の状態、よくかき回しながら寒天を投入です。
寒天を溶かし、培養用のビンに適量流し込みます。
ビン他は予め滅菌消毒をしておきます。培地に雑菌が入ってはいけません。
培地のもとを流し込んだビンはアルミホイルで蓋をし、再び滅菌消毒をします。そして冷却し、寒天を固めます。
寒天が固まれば、ついに種の埋め込みです。
これが種をとるためのウチョウランの花。今年のエース級の花だったのかと思います。花の下の茎部分が膨らんでいますが、ここに種が入っています。ここからクリーンベンチの中で種を取り出し培地に種を落としていきます。
なかなかの細かい作業です。ちなみに、クリーンベンチの中では茎にアルコールをつけて消毒したり、ピンセットを度々洗浄/消毒したり、ビンの口にに火を当てたり、と細かい作業繰り返されます。慣れてしまえばどうということはないのですが、結構大変です。
そして種を入た培地は再び蓋をしてビニールで包み、完成です。
ウチョウランは日当たりにはあまりうるさくないのでそこそこに光がある場所で保管します。これで約2年成長を待つことになります。
これが前年に仕込んだウチョウランの培地。見えにくいですが茎があるのがわかります。「もう取り出してもいいかも」と言っていましたが、もう少しこのままにしておくようです。
ということで、私も幾つか作業をさせていただきました。そして「お前も持って帰れ」とのことなので持って帰ってきました。
うち4つは役場の空きスペースに保存、2つは自宅に置くことにしました。日当たりにうるさくないとはいえ、ばい菌が入ってはいけないので一抹の不安はありますが、観察を続けていこうと思います。
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