10月13日に農業振興フェアを見に行きました。目的は「畑のサル対策」です。
本川では農作物の害虫被害は無農薬栽培でもそれほど多くないのですが、鳥獣被害、特にイノシシとサルは対策を講じなければ間違いなくやられる、と言っても過言ではありません。私どもでやっている畑でもそれは同様で、現状は大豆にネットを張ることと、頻繁に畑に行き、人の往来を匂わせるようなことはしています。イノシシは人が来るところにはあまり出てこないらしいのですが、サルは対策を講じてもその上を行って作物を荒らすこともしばしばとのこと。なので他の地域ではどのような対策をしているのか、ということに非常に興味があったわけです。
さて、まずは高知県での取り組みについて。鳥獣対策の現状は「地域でまとめて」が主流で、個々の田畑に対策するのではなく、農地が集まる地域をひとくくりにまとめて対策をしているそうです。防護柵も田畑単位ではなく地域をまとめて柵で囲んでしまうということで、四万十市西土佐では全長が2,000km(!)近くにも及んでいるそうです。もうこうなると進撃の巨人の世界ですね。しかしながらそれだけ鳥獣被害に頭を悩ませている地域があるということでもあるわけです。
しかし本川地区は広範囲に少数の集落が点在しているため、少ない耕地に対して作業が膨大すぎるのではないかと思います。
次が今回のメインイベント、「みんなで取り組むサル対策」です。
この講演は非常に興味深いものでした。まず考えなければいけないことは「なぜサルが来るのか」ということ。単に畑に作物があるというだけではなく、畑の周囲に残った作物や料理に使えなくなった収穫物を捨てたりすることで、それがサルの格好の餌場になることがよくあるそうです。しらないうちにサルを餌付けしているのですね。なのでまずはサルの餌場にならないような環境作りが必要だ、と。
その次に初めて「田畑を守る」という段階に入ります。これはやはり柵などによる防護と「追い払い」です。柵はやはり田畑単位ではなく広範囲に農地のある地域を囲む、柵の周辺は草刈りは伐木をしっかりやっておくことが重要だということです。見通しのよい平坦なところは目立つだけでなく地面以外に逃げ場がないためか、サルはとても警戒心を高めるそうです。そして追い払いはできるだけ大勢で行うのが効果的だそうです。一人で追い払っても遠くから田畑に接近するなんてことはサルはすぐできるようになるようですね。
そして最後に個々の田畑の対策や駆除。やはり上記だけで全ての被害を防止することはできないので、駆除の準備もしておくことが望ましいのでしょう。
この講演では取組の具体的な内容と効果を数字で表していたので対策が効果的であることがよく理解できました。しかしながら残念なのはその費用対効果について触れられなかったことです。農作物への被害以上に投資額がかかっていたらあまり意味がありませんからね。そこはやなり出して欲しかった。
というわけで、私は個々の畑の対策についての話しを聞くつもりだったのですが、今回は良い意味で期待はずれでした。この話しを持って帰って本川地区で応用することは可能だと思いますが、基本的に職業農家が少ない本川では、今回のような対策は少々個人の事情に深入りしすぎになってしまうのだろうと思います。あと、傾斜地に畑をしているところがほとんどなので、畑の周りの見通しを良くすることもかなり大変なことです。しかしながら今回の話しには多くの示唆があり、非常に有意義なものでした。
というわけで、この講演終了後、小腹がすいたので地産地消コーナーへ。
会場のある南国市では米粉に力を入れているのでしょうか?米粉のうどんとカレーパンです♪
そして帰りの軽トラには前日に柳野地区のワナ猟名人直々に指導を受けながら作成したくくり罠。
あぁ、ホントに山の中に住んでるんだなぁ、オレ。
蛇足ですが、今回は高知に来て初めてまともな講演を聞くことができた、と思いました。講師の方が真剣に取り組んだものの成果だということも言葉の節々から伝わって来ました。逆に言えば、地域に関わる話しはそれだけデタラメでいいかげんな話しが多いということだと私は思っています。デタラメを見抜く力も地域には大切です。
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