ページアクセス数を見る限り意外と人気がある「初心者シリーズ」、今回は「植え付け特別編」と題し久しぶりにお届けしたいと思います。
なぜ「特別編」なのかと言えば、理由は2つあります。1つは、今回の現場はあまり地ごしらえがなされていないことにあります。以前地ごしらえの様子をご紹介しましたが、植林は地ごしらえとセットで語るほうが初心者らしい考察が書けるはず、と判断したためです。もう1つはその作業内容にあります。今回もいつもの親方様のところでお世話になっているのですが、植えた苗に鹿よけのカバーをつける工程があり、この作業は親方様のところでもそれほど経験がないそうで、私はカバーの取り付けに係る作業を担当する予定だったからです。そう、その予定だったのですが。。。
さて、今回の現場はこんな感じです。
高知の林業の現場は基本的に傾斜地と思っていただいて間違いない、ということはさておき、見事に「切りっ放し」になっていることがお分かりかと思います。本来は植え付けの前に枝などをまとめて整理する「地ごしらえ」があるわけですが。。。傾斜もここはかなり緩斜面ですね、写真が左に傾いているだけかもしれませんが。今回は、ここにクヌギの苗を植え付け、その苗1つ1つに鹿よけカバーを取り付けていきます。
私の主な作業の、苗の植え付け後のカバー取り付けについて説明します。作業は大きく3工程あります。苗を挟むようにポールを2本立てる、苗にカバーをかける、カバーをポールに結びつける、の順に行っていきます。この作業、実際には人海戦術で作業を分担しつつ効率的に行っていきます。カバーを組み立てる(組み立て式なので)、苗のある場所にポールとカバーを配置する、ポールを立てる、カバーを取り付けるが主な分担になります。初日は私はポールを配る担当となったので、とにかく斜面を移動しまくりです。2日目は主にカバーの組み立てです。こちらは立ち止まっての作業ですが、配ることを配慮するので、組み立て前のカバーを大量に持って移動する必要があるため作業効率を考えながらする必要があります。
そんなこんなで、作業後はこのような状態になります。
決してアヤシイ儀式が始まるわけではありません(笑)。ちなみに、見難いですが写真左手前にポールを立てたところまでの状態になっているものが見えます。このポールを立てる工程がなかなか大変で、地中にポールを立てた後、ハンマーで叩いて固定します。私が担当していたらすぐに握力がなくなってしまいそうです。。。
3日目は多くの時間に資材の運搬に使いました。現場はかなり広い急斜面のため、現場下部へは親方様手作りの矢倉に架線を引いて運びます。架線の写真がなくて残念なのですが、ご了承ください。
そして4日目、なんと私が苗の植え付けすることになりました。苗は現場に運ばれれば何日も放置できるようなものではないので、植え付けを早めに終わらせるために私も作業することになったのです。
苗の植え付けは、鍬で穴を開けて苗を立て、そこに土を入れて足で踏み固めます。これが苗を立てた状態。
何だか根っこの部分が出ているように見えますが写真のマジックです。ここからさらに土を上部から掘って穴を埋めて固めます。それがこれ。
しっかり固めるためには地表の柔らかい腐葉土を地中にあまり入れないようにする必要があります。腐葉土は栄養価が高いが柔らかいですから踏み固めるためには向かないそうです。
こうやって作業を進めていくわけですが、慣れてくると鍬を一回入れて、そこに沿って苗を入れ、少量の土で埋めて踏み固めるようなことができるようになってきます。そうやって淡々と作業を進めていきます。そしてふと辺り見ると雄大な景色。
こうして午前中の作業を終えて親方様と植え付け本数の話しをしました。するとどうも私はほぼ一人役に近い仕事量とのことで、親方様の予想比ほぼ3倍でした。去年の夏、開梱のために竹の根を何本も切りながら農作業をしていた経験がここに来て生かされたようです。こうして私は午後も植え付けの作業をすることになりました。現場に慣れたプロと同じ作業を続けなければならないので疲労度もピカ一!終盤はヘトヘトになって一日の作業を終えるのでありました。
現場を離れる前には美しい夕日が。
こうして初心者の林業体験もまだ続く予定なのであります。
この現場では、他にいくつもネタになる話しがあるのですが、それはまた別の話し。
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