以前間伐の作業をした現場の近くで、なにやらハタケシメジらしいキノコを見つけていて、覚えていたので、相棒のガクさんと行ってみました。
ガクさんは間伐の現場にまだ行ったことがなかったので、倒れた木や薮を這いずりまわって移動することができるのか心配だったけど、ご覧のとおり見事に野生に還っていました。
間伐をする時、スギ・ヒノキ以外の木は雑木と総称して呼ばれます。
立派な栗の木なんかも雑木なんて呼ぶのも失礼なので浅木なんて呼ぶところもあるらしいです。
その雑木地帯が植林地にあると「除地」と呼ばれ、間伐の対象にはなりません。
けども、大きく育った雑木はスギ・ヒノキの成長を阻害するため、スギ・ヒノキより高く育ちスギ・ヒノキにかかる雑木は基本的に切るようです。
これはコナラ?と思われる切られた雑木。
原木栽培に持って帰りたかったけども、来年まではここで「葉枯らし」といって、枝葉をつけたままの幹を山に放置します、要は切ってそのままほっておくわけです。切られた幹はまだ生きていて、水分を枝葉に送ろうと作用するので幹の水分は枝葉を切り落とした丸太よりもはやく乾燥していきます。「葉枯らし」をしてからだと丸太も全然軽くなっているので山から出すのも比較的楽です。
原木を使ってのキノコ栽培もしてみたいので、もらえそうな原木はチェックしていきたいと思っています。
話を戻します、間伐跡地の前にチェックしていたあたりの平になった場所を這いずりまわっていると、見つけました!!
仲良く並んだハタケシメジ!
そこらで採れるキノコの中では一番うまいんじゃないかと噂される奴です!
こいつのいいところは、採っても数ヶ月は同じ所にまた生えてくるというところらしいです。
その周辺をさらに見渡すと、あっあっ!!
あるある!あるある!あるあーる!
足元にも小さいのが!そこにもあそこにも!
気付けばハタケシメジに囲まれて、一歩も動けず、嬉しさのあまり足元が震えて、気が動転してしまいました!
そういう時は、山では遠慮はいりません、うっひょーーーーい!っと叫びます。
しかしこういう行為はキノコハンターの中ではNG!
「こっそり行ってこっそり採って帰るべし」なのです。
昔に家があったような、平地で陽が当たらない場所には生える可能性があるらしいですね。
詳しい場所はもちろん秘密。
記念撮影、嬉しくて若干瞳孔開いてます。
ハタケシメジに酔った僕らはさらに奥地へと進んで行きました。
すると、さっそく違うキノコ発見!これは昔間伐した後のスギ・ヒノキから生える、「スギヒラタケ」これが大量に生えていました。
この倒木に生える白い部分はすべてスギヒラタケです。
採れば大量でしょう。
けども、スギヒラタケは少し注意が必要なようです、腎臓の弱い人が食べると中毒をおこすんだとか。つい最近僕も食べたのですが、翌日下半身全体に湿疹が出ました。
けど、その日は間伐の作業でウルシ科のハゼなんかも切ったのでそのせいで湿疹が出たのか、スギヒラタケの影響か、はっきりしませんでした。なので今回はとりあえずスルーしておきました。
途中で、枯れかけていたけども大好きな花?草?わからんけども
ギンリョウソウを見つけました、この透明な質感、クリスタルのような輝き、たまりません。
というわけで本日の収穫。大漁です。
けれど小さな芽や開きすぎたものは置いて来ました、また2週間後くらいに覗いてみたいと思います!
最近は山の魅力に徐々に心酔していく自分を見る気がします。
もともと山は好きで、山に入っては大好きな樹の下でじっとして考え事なんかをするクセがあったけれど、ここ本川に来てからは考えるよりも山で動きまわる自分がいます。
山であの谷に行ってみよう、あの尾根を渡ってみよう!なんて動くその中で気付くことは、山での出会いの多さです。そもそも山に生きる生物たちの名前なんてひとつも知らなかったから出会っても無視してしまっていたけれど、名前を覚え、特性を知り、山でのその生き物の役割を知ると、次に森の中でその生き物に出会った時、心が喜びます。
森にはあまりにたくさんの生き物が住んでいるので、途方も無いけれど、森に住む生き物についての理解を深めれば深めるほど森にはたくさんの出会いが生まれることになると思います。
森を深くするのは、森に入る人の心の在り方次第なんだと思うと、これから学んでいくであろう森での色々に好奇心が止まらない心地です。