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2013年10月31日木曜日

本川での定住を真剣に考える ~ 仕事編:地場産業(農林水産業)

 「田舎といえば農業、田んぼに囲まれての生活」というイメージを持っている人は多いかと思いますが、山岳地帯の本川には田んぼはなく、畑も小規模なものしかありません。農業で生計をたてている世帯も少なく、農業をしている世帯でも家庭菜園の延長でわずかながら余った作物を直売所などで販売するくらいの世帯がほとんどです。では、本川ではどのような産業が営まれているのか、ここでは農林水産業について簡単に紹介したいと思います。

1.林業
 森林率が87%にも及ぶ本川で長らく主力産業として営まれている林業。現在でも大小さまざまな事業体が本川やその周辺での事業を行っている。本川やその周辺の植林地帯は当然のごとく山の斜面。機械による自動化が困難なため、さまざまな状況に対応できる職人が活躍する現場である。
 産業に乏しい本川で恐らく唯一、事業体への就職が期待できる業種ではないだろうか。実際に県外から人材を募集する企業もあり、また、「緑の雇用」などの制度で本川に定住した人もいる。

2.農業
 
87%の森林率からも想像できると思うが、本川は平地が少なく農地に適した土地も少ない。もともと焼畑で稗や黍(キビ)などの雑穀を育て自給自足していた土地柄であり、営農は過去には盛んに行われていた時期もあるが、現在ではごく一部の農家のみが営んでいるに過ぎない。耕作放棄地もあるが小規模なものが点在しており、収穫量の面で不利な条件となっている。また、サルやイノシシなどの鳥獣被害も多く、山間のスペースの小さな畑、という立地上、鳥獣対策の面でも不利である。
  • 野菜類
    かつてはししとうやしいたけ、わさびなどが主力作物として育てられていたが、現在ではごく一部の農家で営まれているに過ぎない。現在では地区の名産である「本川じゃがいも」をはじめきゅうり、田芋(サトイモ)などが栽培されているが、ほとんどが家庭菜園の延長上規模のもので収穫量は少ない。なお、じゃがいも、イタドリ、ズイキ、ゼンマイは通年で購入可能できる。
  • 花き
    本川地区は隠れた山野草の名産地であり、四国では希少で珍しい山野草を見ることができる。現在はシーズンになるとウチョウランや各種山野草の販売が行われているがその規模は極めて小さい。
  • 畜産
    食肉用のきじの飼育及び販売が行われている。現在は3、4千羽程度の飼育数だが、積極的に販路拡大を行っており、空いた鶏舎を再利用することで増産に耐える環境もあるので、今後の動向が注目される。
3.水産など
  • 淡水魚
    本川名産のアメゴ(アマゴ)は塩焼きや甘露煮などが観光施設などで振る舞われている。しかし、一時はアメゴの養殖が営まれていたが現在は行われおらず、養魚場が2箇所(最大4~5t)が空きの状態になっている。
  • 天然水
    過去に500mlペットボトルでミネラルウォーターを生産販売していた実績(平成12年4万本生産)があるが、現在は生産をしてない。

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